SMARTトリガー

「当社製品でのデータ損失の代償はとても大きい。 カード寿命の終わりを予測する方法はありますか?」



デジタルサイネージ

使用モデルにどれだけうまく最適化されていても、組み込まれたストレージは、ある時点で寿命に達します。 どのようなフラッシュストレージのテクノロジーを持ってきたとしても、限界があります。 デルキンはライフサイクルマネジメントの一環としてさまざまな手法を用いてフラッシュメモリー製品を最大限に活用するために取り組んできました。 「すべてのサプライヤからのすべてのストレージソリューションはある時点で消耗して使用不可になる」という事実に対処するということは、すなわちストレージの製品寿命の終わりを予測するということです。 データが失われる前、またはその他のコストが発生する前に、障害を予測してストレージを交換できることは、多くの機器製造メーカーにとって重要な要素です。


Industrial Gradeリムーバブルストレージで使用されるSMARTコマンドは、障害の予測、停止時間の短縮、予防保守のスケジューリングの効率を大幅に改善しました。 SMARTコマンドは、SD、CF、SSD、CFASTカードなど、さまざまなフォームファクタで採用されています。これらのSMARTコマンドを製品の初期状態の評価のために使用するだけでなく、組み込みホストのアプリケーションに実際に「SMARTトリガー」をインストールすることで、予想外のデータ損失を未然に解決する予測・予防対応が実現しました。



カスタマーストーリー



デジタルサイネージ(電子看板)では、組み込まれているストレージのデータの損失が、見ている人誰もがすぐにわかってしまうアプリケーションです。 デジタルサイネージとは屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムです。 メモリーカードの寿命が終わってしまった場合は、ブランク画面やエラーメッセージが表示され、結果として何らかの損害を招いたり安全上の問題を引き起こす可能性があります。 そのため、デジタルサイネージのビジネスは、ディスプレイの表示不良にかかわるリスクを回避することばかりに固執することなく、予防的なメンテナンスを積極的に行うことを重要視しています。



「私たちが必要としているフラッシュカードが見つかりません。たとえ新しいものでも予期せずデータが失われてしまいます。 そこで工業用グレードのフラッシュメモリーは当社のハードウェアよりも長持ちすると考えました。 私たちの考えは、現場に設置するコンパクトフラッシュカードを産業用に替えれば、より堅牢で、予期せぬ故障も少なくて済むというものでした。」と、大手デジタルサイネージ機器製造会社のプロダクトマネージャーは説明しています。 「カードは消耗しますが、予期せぬデータ損失は非常に高いものにつきます。カード寿命の終わりを予測する方法はありますか?」



デルキンの調査



CPU技術はフラッシュメモリーの開発同様、長年にわたって改良されており、5年前のデザインのコントローラでは、最新のCPUが持つツールや機能が使用できないのです。
その一つであるSMARTツールの登場により、すべての組込みカードユーザーへよりも多くのデータとカードの健康情報がもたらされました。 また、この情報は入手しやすく、ホストアプリケーションでも実行できます。



Delkin Customer Applicationsチームの最初のステップは、顧客の要件を完全に理解することでした。 カードの使用モデルから出発して、Delkinはカードが時間とともにどのように使用されたかを理解することができました。このデータから、カード耐久性と耐用年数を見積もることも容易になりました。 顧客は予期せぬ故障によって悪影響を受けたていたので、科学的な根拠を持たないものの有効寿命がまだ15%残っているフラッシュカードの交換を承諾しました。これは、通常の保守点検よりも少し費用の掛かる予防保守点検に対して取り組む下地となりました。

SMARTは、ブロックごとのP/Eサイクル、不良ブロック数、残りのスペアブロック、カードの通常の起動回数、さらには異常な電源投入回数などの重要なカード情報を取得します。これにより、他の多くの情報とともに、機器自体の状態、またカードの寿命を予測することが可能になりました。



デルキンソリューション



このデータを使用して、顧客はSMARTコマンドを使用してフラッシュ耐久性を判定し、カード残存寿命を決められたしきい値と比較することで数値化し、カードのSMART評価を定期的に実行するアプリケーションをプログラムすることができました。 このアプリケーションは5つの重要なカード使用状況の抽出データを選択し、それらを決められた最大値と比較することによって、カードが85%の使用状態に達するとホストに通知することができます。 通常、これには数年かかりますが、これが予期しないデータ損失を事実上防止するツールとなりました。さらに、カードが破損したり、カードの取り付けに異常があった場合、それをを警告する手段となりました。 これは、サービス担当者に、他の問題、例えば、他の場所で発生していた熱や電力の異常などを認識させる可能性があります。 最終的には予期せぬエラーの撲滅とはるかに信頼性の高いデジタルサイネージシステムを実現することが出来ました。

SMARTは、PC上の診断ツールとして、Delkin Devices SMART Dashboard 1.1ソフトウェアのようなものを使用して、推定されたカードの耐久性を確認するためにも使用できます。営業担当者に問い合わせしてください。